息づく内科医

関東地方の呼吸器内科医です。

COVID-19のCTとRT-PCRの診断性能のメタアナリシス

Diagnostic Performance of CT and Reverse Transcriptase-Polymerase Chain Reaction for Coronavirus Disease 2019: A Meta-Analysis

 
最近の研究でCTはCOVID-19の流行地域において、スクリーニングや診断に使用できる可能性が示されている。
CTとRT-PCRの診断性能を評価することが目的。
2020年1月1日から2020年4月3日まで、MEDLINEとEmbaseでCTや1回目のRT-PCRの感度と特異度を評価した研究を検索した。
統合した感度と特異度はランダム効果モデルを使用して評価した。8カ国からの有病率をWebから取得して、診断性能を計算した。診断性能の測定値の潜在的に説明できる因子の評価のためメタ回帰を行った。
胸部CTの統合した感度は94% (95% CI: 91%, 96%; I2=95%)、RT-PCRの感度は89% (95% CI: 81%, 94%; I2=90%)。胸部CTの統合した特異度は37% (95% CI: 26%, 50%; I2=83%)だった。中国国外の有病率は1.0%から22.9%まで幅があった。CTの陽性適中率は1.5%から30.7%で、陰性適中率は95.4%から99.8%だった。RT-PCRの陽性適中率は47.3%から96.4%で、陰性適中率は96.8%から99.9%だった。CTの感度は病状の重症度、合併症のある患者の割合、無症候性の割合によって影響された。RT-PCRの感度は高齢になるほど逆相関した。
中国国外で有病率が低い地域ではCTの陽性適中率は低かった。
Figure 5:
既報の通り、CTはPCRより感度が高い傾向にあります
当然ながら陽性適中率は有病率に影響されます
日本の場合は有病率が実際はどの程度なのかはっきりしないのが問題ですが、CTは症例によっては有用と思います