息づく内科医

関東地方の呼吸器内科医です。

COVID-19の中国の1590例の解析

Comorbidity and its impact on 1590 patients with Covid-19 in China: A Nationwide Analysis.

  2020 Mar 26. pii: 2000547. doi: 10.1183/13993003.00547-2020. [Epub ahead of print]

 

COVID-19のアウトブレイクは世界中で起こっている。

COVID-19の重大なアウトカムのリスクを併存症で階層化して評価することが目的である。

2019年12月11日から2020年1月31日まで、中国本土の31地域(省)の575病院の1590例の検査で確認されたCOVID-19のデータを解析した。ICU入室、侵襲的人工呼吸器、死亡の複合エンドポイントを解析した。複合エンドポイントに達するリスクは併存症の存在と個数で比較した。

平均年齢は48.9歳で、686例(42.7%) は女性だった。重症例は16.0%だった。131 例(8.2%)は複合エンドポイントに達した。399 例(25.1%)は少なくとも1つ以上併存症があった。最も多い併存症は高血圧(16.9%)で、糖尿病(8.2%)はその次に多かった。130 例(8.2%)は2つ以上の併存症があった。年齢と喫煙歴で補正したところ、COPD (HR 2.681, 95%CI 1.424-5.048)、糖尿病(HR 1.59, 95%CI 1.03-2.45)、高血圧(HR 1.58, 95%CI 1.07-2.32) 、悪性腫瘍(HR 3.50, 95%CI 1.60-7.64) は複合エンドポイントへのリスクファクターだった。1つ以上の併存症はHR 1.79 (95%CI 1.16-2.77) で、2つ以上の場合はHR 2.59 (95%CI 1.61-4.17) だった。

検査で確認されたCOVID-19の症例では併存症があると予後不良だった。併存症の数が多いとより予後が悪くなった。

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湖北省は647例、他は934例含まれてるため中国全体の傾向と言えそうです

他の報告と同じく、併存症が多いと予後不良です