喫煙歴のないCOPDと肺癌のコホート研究
Chronic obstructive pulmonary disease and lung cancer incidence in never smokers: a cohort study.
Thorax. 2020 Apr 2. pii: thoraxjnl-2019-213732. doi: 10.1136/thoraxjnl-2019-213732. [Epub ahead of print]
喫煙歴のないCOPDと肺癌の関連についてはエビデンスが限られている。
喫煙歴のないCOPDの肺癌の発生するリスクを、喫煙歴のあるCOPDの肺癌のリスクと比較することが目的。
このコホート研究には国民健康保険のサンプルコホートの338,548例、ベースラインで肺癌のない40-84歳が含まれた。2,355,005 person-yearsのフォローアップを行い(中央値は7.0年)、1834例は肺癌を発症した。COPDのない非喫煙者と比較して、肺癌のハザード比は非喫煙者のCOPDで2.67 (2.09 to 3.40)、COPDのない喫煙者で1.97 (1.75 to 2.21)、COPDのある喫煙者で6.19 (5.04 to 7.61)だった。
大規模なコホート研究の結果、非喫煙者でもCOPDは肺癌の独立したリスクだった。COPD患者は喫煙状態に関わらず、肺癌のハイリスクである。
コホートには女性の肥満患者が比較的多く含まれています
非喫煙者のCOPDは受動喫煙ということだと思いますが、COPDのない喫煙者よりCOPDのある非喫煙者の方がハイリスクなのは興味深いです