MAC症に対してCAMとEBの治療した場合のマクロライド耐性
Macrolide resistant Mycobacterium avium complex pulmonary disease following clarithromycin and ethambutol combination therapy.
Respir Med. 2020 May 15;169:106025. doi: 10.1016/j.rmed.2020.106025. [Epub ahead of print]
Mycobacterium avium complex (MAC)の肺感染症に対して2剤の治療(クラリスロマイシン、エタンブトール)はマクロライド耐性を誘発するかは定かでない。
MACの肺感染症に対して2剤療法(クラリスロマイシン、エタンブトール)を行った場合、3剤療法(クラリスロマイシン、エタンブトール、リファンピシン)と比較してマクロライド耐性が起こりやすいか比較した。
1997年から2016年まで国立病院機構天竜病院(浜松)で未治療のMAC肺感染症に対して2剤療法(n = 47)、3剤療法(n = 100)を行った147例を後方視的に解析した。マクロライド耐性MACへの進行のリスクはGray検定を用いて累積発生率を計算した。
中央値74.5ヶ月のフォローアップを行った。フォローアップ期間中、2剤療法群で1/47(2.1%) 例、3剤療法群で12/100(12.0%)例でマクロライド耐性となった。累積のマクロライド耐性発生率は2剤療法群で3剤療法群より低かった (0.0023; 95%CI 0.002- 0.107 vs 0.200; 95% CI 0.100-0.324, p = 0.0593)。
これらの結果から、クラリスロマイシンとエタンブトールの2剤による治療は通常の3剤治療よりもマクロライド耐性の発生率が高い訳ではないといえる。
眼障害のためCAM+RFPとなることはよくありますが、CAM+EBはあまり見たことがありません