息づく内科医

関東地方の呼吸器内科医です。

仮設病院でのCOVID-19の臨床的特徴と治療結果

Clinical Characteristics and Outcomes of 421 Patients with COVID-19 Treated in a Mobile Cabin Hospital.

2020 May 8. pii: S0012-3692(20)31391-X. doi: 10.1016/j.chest.2020.05.515. [Epub ahead of print]

 

2019年12月、COVID-19は中国、武漢で初めて発見された。SARS-CoV-2の急速な拡大を防ぎ、軽症者の治療をするため、スポーツスタジアムとコンベンションセンターを仮設病院として稼働した。

仮設病院は軽症のCOVID-19の治療を安全に行えるかどうかは不明である。

2020年2月9日から3月5日までに中国、武漢の仮設病院に入院した421例のCOVID-19の患者の医療記録を後方視的に解析した。医療記録は患者の年齢、性別、症状、胸部画像、核酸検査、入院期間、転帰が含まれた。

86%は回復して退院したが、14%は重症化して専門病院へ転院した。最も多い症状は発熱(60.6%)で、次に咳嗽(52.0%)だった。5.2%は明らかな症状がなかった。39度以上の発熱は回復した患者より重症化した患者で多かった(18.6% vs 6.6%)。肺の陰影は85.0%で末梢性であり、69.4%で多中心性、68.2%で両側性だった。最も多い画像パターンはGGO(67.7%)で、次いで 斑状陰影(49.2%)だった。斑状陰影は重症化した患者(66.1%) の方が、回復した患者(31.8%, P<.0001)より多く出現した。入院期間の中央値は17 (14-19)日で、回復した患者でPCRが陰性化するまでの期間は中央値で8 (6-10)日だった。

仮設病院はCOVID-19の軽症者にとっては安全に治療可能で、SARS-CoV-2の拡大を防せぐための効果的な隔離施設だった。

 

人的資源、物的資源によりますが、仮設病院でも中国では上手く制御できたとのことです