息づく内科医

関東地方の呼吸器内科医です。

無症候性のSARS-CoV-2のキャリアの感染性

A study on infectivity of asymptomatic SARS-CoV-2 carriers.

2020 May 13;169:106026. doi: 10.1016/j.rmed.2020.106026. [Epub ahead of print]

 

COVID-19の進行中のアウトブレイクは世界中に広がった。無症候性のSARS-CoV-2のキャリアは感染性があるかどうかは議論が分かれる。無症候性のキャリアの感染性を調べるため、455回の無症候性の患者との接触と特徴を報告する。

無症候性のSARS-CoV-2のキャリアとの455回の接触を対象とした。3群に分けた;35例の患者、196例の家族、224例の医療関係者。疫学データ、臨床記録、補助的な検査結果、治療計画を抽出した。

接触の期間の中央値は患者で4日、家族で5日だった。患者の25%は心血管疾患があった。医療関係者とは別に、患者と家族は医学的に隔離された。検疫期間中に7例の患者と1例の家族は新規の呼吸器症状を発症し、発熱が最も多かった。ほとんどの接触で血液検査は正常範囲内だった。CT検査は全例でCOVID-19を示唆する所見はなかった。核酸検査ではSARS-CoV-2の感染は確認されなかった。

SARS-CoV-2の455回の接触を抽出したところ、無症候性のSARS-CoV-2のキャリアの感染力は弱い可能性がある。