息づく内科医

関東地方の呼吸器内科医です。

中国武漢のCOVID-19の院内感染のアウトブレイク

Nosocomial Outbreak of 2019 Novel Coronavirus Pneumonia in Wuhan, China.

2020 May 4. pii: 2000544. doi: 10.1183/13993003.00544-2020. [Epub ahead of print]

 

SARS-CoV-2は2020年初旬に中国で3000人以上の医療従事者に感染した。初期の段階での医療従事者の院内感染の情報はほとんど知られていない。武漢共同病院の医療従事者と家族の院内感染のデータを分析した。

2020年1月5日から2月12日までの25例の検査で確認された医療従事者の例と2例の強く疑わしい医療従事者の例と、その家族の10例の曝露歴、疾患の進行過程、疫学的な特徴を分析した。35例の検査で確認された例の地域の特徴と臨床的特徴を調査し、12例のウイルスRNAをシークエンスして分析した。

9つのクラスターが見つかった。すべての患者は軽度から中等度の臨床症状を呈して、増悪なく回復した。潜伏期間、伝染の連鎖における連続した症例間の時間、ウイルス排出は4.5日、5.2±3.2日、18.5日だった。12例のコロナウイルスの完全なRNAシークエンスの結果、小さく無関係な変異は伝染した遺伝子でも保たれ、伝染の追跡の著しい特徴を示した。

SARS-CoV-2は短い潜伏期間、伝染の連鎖における連続した症例間の時間により、院内でも社会環境でも症状の有無に関わらず速やかに人ー人感染をする。公衆衛生サービスは実践的な方法で拡散を減らし、隔離し、濃厚接触を追跡し、重度なエンデミックの地域の封じ込めをするべきである。医療従事者はエンデミックの際に警戒し、感染が疑われる場合は自己防疫するべきである。