息づく内科医

関東地方の呼吸器内科医です。

COVID-19の退院時の呼吸機能検査の異常

Abnormal pulmonary function in COVID-19 patients at time of hospital discharge

 
Publish前のデータです。
中国、広州第8人民病院からの報告
 
COVID-19は退院時のCTではGGOの異常が最も多いと報告されている。SARSやMERSから回復した患者では月から年単位で呼吸機能の異常が持続することが報告されている。COVID-19の生存者での呼吸機能の報告されたものはない。
2020年2月5日から3月17日までに入院した検査で確認されたCOVID-19を対象とした。超重症(人工呼吸器管理やショック)は除外された。
110例が対象となり、24例は肺炎なし、67例は酸素投与の必要ない肺炎、19例は酸素投与が必要な肺炎だった。44例(40%)は少なくとも1つ以上の併存症があり、慢性呼吸器疾患があったのは3例(2.7%)だった。退院日から退院前日にスパイロメトリーを施行し、すべての症例で酸素化は室内気で正常だった。

すべての症例でスパイロメトリー施行できたが、DLCOは2例で失敗した。DLCOは51例(47.2%)で異常があり、TLCは27例(25%)、%FEV1は15例(13.6%)、%FVCは10例(9.1%)、FEV1/FVCは5例(4.5%)、細気管支の異常は8例(7.3%)だった。DLCOは重症になるほど頻度が多かった。

DLCOの異常が最も多く見られた。退院時のスパイロメトリーの施行と呼吸リハビリテーションが考慮される。これらの異常が持続するかはさらなる研究が必要である。

 

ベースラインのスパイロメトリーがないですが、呼吸器疾患がほとんどない集団のため正常と考えるのが自然です。横断研究のため因果関係は不明ですが、拘束性換気障害を反映した拡散障害が残りそうです。