息づく内科医

関東地方の呼吸器内科医です。

EBUS-TBNAによるPD-L1検査

Endobronchial Ultrasound-Guided Transbronchial Needle Aspiration for PD-L1 Testing In Non-Small Cell Lung Cancer.

Chest. 2020 May 16. pii: S0012-3692(20)31410-0. doi: 10.1016/j.chest.2020.04.059. [Epub ahead of print]

 

癌細胞でのPD-L1の発現はPD-1/PD-L1阻害薬の治療を受けるNSCLCの患者にとって臨床的に重要なバイオマーカーである。NSCLCの臨床研究ではPD-L1の免疫組織染色を必要とするが、臨床現場では進行癌で細胞診の検体をしばしば得られる。

この研究では他の方法と比較して軽気管支超音波ガイド下針生検(EBUS-TBNA)の検体のPD-L1検査の正確性を調査した。さらにPD-L1の発現と臨床病理学的な背景因子の関連を評価した。

2015年1月から2016年12月まで、6つの英国の施設と1つの米国の施設で577のNSCLCの検体を対象とした。

EBUS-TBNAの検体(189)で、PD-L1の検査が成功したのは94.7%だった。他の検体採取の方法と比較して差はなかった。古い検体ほど成功率が低かった(OR= 1.06, p=0.008)。多変量解析では進行したリンパ節転移(p=0.048)、脳転移の存在(p<0.001)がPD-L1の高発現と関連した。

大規模な他施設研究でEBUS-TBNAの検体のPD-L1検査の正確性が示され、進行したリンパ節転移や脳転移があるとPD-L1の高発現と関連した。

 

実臨床ではEBUS-TBNAの検体でPD-L1も測定してしまうことが多いですが、妥当性を裏付けられた形です