息づく内科医

関東地方の呼吸器内科医です。

SARS-CoV-2パンデミックの状況下での安全な気管支鏡/EBUS-TBNAの施行

Safe performance of diagnostic bronchoscopy/EBUS during the SARSCoV‐2 pandemic

Respirology. 2020 May 13. doi: 10.1111/resp.13843. [Epub ahead of print]

 

気管支鏡検査はエアロゾルを発生する手技とされるが、COVID-19のパンデミックにより、急を要さない検査は延期される傾向にある

肺癌などCOVID-19と関係のない疾患の診断には不可欠であり、感染予防をしながらどのように施行するか模索されている

施工可能な処置はCTや超音波ガイド下での経皮的生検を勧める

COVID-19が疑われる場合はPCR検査を検討し、陽性なら延期する

無症状でもSARS-CoV-2のPCR検査を検討するが、偽陰性の問題があり陰性でも否定はできない

患者にサージカルマスクを着用し、小さな穴をあけてそこから気管支鏡を挿入することを検討する。飛沫の暴露を最小限にできる

可能な限り陰圧室で行い、N95マスクを含むフルPPEで施行する

可能な限り少人数で、できるだけ短時間で行う

局所麻酔のネブライザーは避ける

ROSE(rapid on-site cytological examination)は使用してもいいかもしれない

 

日本でも検討されていましたが、気管支鏡前に全例にPCR検査を施行するかどうかは一定の見解はないようです