息づく内科医

関東地方の呼吸器内科医です。

連花清瘟(漢方薬)によるCOVID-19の効果と安全性

Efficacy and Safety of Lianhuaqingwen Capsules, a repurposed Chinese Herb, in Patients with Coronavirus disease 2019: A multicenter, prospective, randomized controlled trial.

Phytomedicine. 2020 May 16:153242. doi: 10.1016/j.phymed.2020.153242.

 

COVID-19は世界でアウトブレイクしている。使用可能なターゲットとした治療法はほとんど存在しない。連花清瘟カプセルは作り変えられた中国の漢方薬で、インフルエンザに対する効果が証明されている。

連花清瘟カプセルのCOVID-19患者に対する安全性と有効性を調べることが目的である。

COVID-19が確認された患者に対する連花清瘟カプセルの前向き、他施設、open-labelのランダム化比較試験を施行した。患者は標準治療のみか、連花清瘟カプセル(4カプセル、1日3回)を14日間の投与と標準治療にランダム化された。Primary endpointは症状(発熱、疲労、咳嗽)からの回復の数値とした。

284例(142例ずつ)が完全に解析された。回復の比率はコントロール群と比較して治療群で有意に高かった(91.5% vs. 82.4%, P=0.022)。症状の改善までの期間は治療群で有意に短かった(中央値7 vs. 10日, P<0.001)。解熱までの時間(2 vs. 3日)、疲労の回復の期間(3 vs. 6日)、咳嗽の改善までの期間(7 vs. 10日)は治療群で有意に短かった(すべてP<0.001)。胸部CTの改善の比率 (83.8% vs. 64.1%, P<0.001)、臨床的なケアの改善(78.9% vs. 66.2%, P=0.017)も治療群で有意に高かった。しかし、重症例からの改善やウイルスアッセイの所見の改善は変わりなかった(どちらもP>0.05)。重大な有害事象は報告されなかった。

安全性と有効性の観点では、連花清瘟カプセルはCOVID-19の症状を改善する可能性がある。

 

プラセボを用いていませんが、インフルエンザの有効性などを踏まえると有望な可能性はあります